鰻はこうやってちゅるちゅる吸って食うのがいちばん旨いですね |
2009/07/09 カテゴリー/レビュー
「きれぎれ」 作者:町田康 出版社:文春文庫
2000年芥川賞受賞作
感想:初めて読んだ時は「何コレきらいっ><」って感じで、
そのような事を日記にも書いたと思うんですが
2回目読み返して見るとあー町田さん、って感じで痺れました。
回を重ねる毎に内容欄が長くなってるのは日本語の衰えかなァ
内容:
2000年芥川賞受賞作
感想:初めて読んだ時は「何コレきらいっ><」って感じで、
そのような事を日記にも書いたと思うんですが
2回目読み返して見るとあー町田さん、って感じで痺れました。
回を重ねる毎に内容欄が長くなってるのは日本語の衰えかなァ
内容:
散らかり放題に散らかった部屋の中。
着替えの際、何か棒のようなものが足に触れる。
見ると、どういうわけか畳に鎌が刺さっている。
無論自分で刺した覚えはない。
となると、妻のサトエが突き刺した事になるが、
どういった経緯でそういった事になったのか毛頭見当がつかぬ。
やっぱり結婚したのが間違いだったんだろうか。
無論自分で刺した覚えはない。
となると、妻のサトエが突き刺した事になるが、
どういった経緯でそういった事になったのか毛頭見当がつかぬ。
やっぱり結婚したのが間違いだったんだろうか。
妻と出会ったのはランパブだった。友人の葬式に耐えられず出向いた先、ランパブ。
大体、友人が死んだのは俺のせいじゃない。それなのに皆、俺が悪いような目つきで。
大体、友人が死んだのは俺のせいじゃない。それなのに皆、俺が悪いような目つきで。
とにもかくにも俺はサトエと結婚した。
2年も給料を前借していたって、ランパブ通いが趣味であったって、
俺は立派な令嬢子息だ。
見合いのひとつやふたつもあった。
それを断ってまでの入籍だったというのに、何だ、
俺が不細工だと思った見合い相手 新田富子は実はとびきりの美人で、
俺がすきだと思ったランパブの女 サトエはみるみるうちに膨張、今ではただの獣だ。
ちくしょう、見合いの席でうな重に顔を突っ込んだりするんじゃあ、なかった。
今に見てろよ吉原。新田富子と結婚してちょっと絵が売れたからって
調子に乗りやがって。俺だって本気を出せばお前なんか楽々追い越して、
新田富子をも虜にするに決まってる。
2年も給料を前借していたって、ランパブ通いが趣味であったって、
俺は立派な令嬢子息だ。
見合いのひとつやふたつもあった。
それを断ってまでの入籍だったというのに、何だ、
俺が不細工だと思った見合い相手 新田富子は実はとびきりの美人で、
俺がすきだと思ったランパブの女 サトエはみるみるうちに膨張、今ではただの獣だ。
ちくしょう、見合いの席でうな重に顔を突っ込んだりするんじゃあ、なかった。
今に見てろよ吉原。新田富子と結婚してちょっと絵が売れたからって
調子に乗りやがって。俺だって本気を出せばお前なんか楽々追い越して、
新田富子をも虜にするに決まってる。
だけどそんな矢先ママンが死んだ。
父さんが死んで以来一人で会社を切盛りしていたママンが、死んだ。
いいことなんてひとつもない。受け継ぐものもひとつもない。
仕方がないから俺、ライバル吉原に金を借りる事にした。
その際玄関先で話した新田富子、やっぱり美しくて。
彼女が恋しくて、憎き吉原の展覧会に欠かさず足を運ぶ俺。
そわそわして早くに家を出れば妻不機嫌にヤキソバを食べて。
再度、飛行機が空を引き裂いた。
振り返ると、青空。きれぎれになって腐敗していて。
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